細川院長
私たちは、自分の見たいように、まわりの世界を見ています
ものごとの受け止め方=「認知」、の話ですか?
細川院長
まわりの世界を近くする時、私たちは自分の興味や関心に基づいて、注意を向けます
たとえば、渋谷のスクランブル交差点を渡るとき、ファッションに興味のある人と、車に興味のある人とでは、注意を向ける場所が違うでしょうし、それによって世界の感じ方は違うでしょう
ファッションに興味のある人に、後から「さっき、交差点にすごいレアなケーニグセグの車がいたよね?」と話を振っても、「そうだっけ?」と言われてしまうのがオチですし、逆もそうでしょう
視界に入っていたとしても、見ているわけではないのです
私たちは、自分で選んで世界を見ています
「ものを近くするときには、常に一つの背景の上に一つの形態(ゲシュタルト)が形成される」と、哲学者ジャン=ポール・サルトルは言っています(『存在と無』)
認知行動療法と同じことを、戦前の哲学者が言っていたのですね
細川院長
私たちはそうやって、自分の選択により、まわりの世界に意味を与えているのです