朝起きれないので、学校に行けない

朝起きれないので、学校に行けないんです

細川院長

睡眠相後退症候群かもしれませんね


概日リズム

ストレスケア東京上野駅前クリニックの入り口には、エバーフレッシュという、「ねむの木」の仲間が茂っています。

エバーフレッシュは、正式名は「コヨバ・アルボレア・アングスティフォリア 」、日本名は「アカサヤネムノキ」といいます。

このエバーフレッシュ、みなさんが訪れる時間帯によって、葉っぱの表情が全然違うことにお気づきでしょうか?

ねむの木の仲間であるエバーフレッシュは、昼間は鳥の羽のような葉っぱを大きく開いていますが、夜になると葉っぱを閉じて眠ります。

さて、エバーフレッシュ(ねむの木)はどうやって、「朝に葉を開き、夜に葉を閉じる」という日内リズムを作り出しているのでしょうか?

日の光じゃないかな?


実は日光ではありません。

台風が来ているときのような真っ暗な状況でも、クリニックのエバーフレッシュは午前中に葉を開き、夜になると、玄関ホールは明るいにもかかわらず、葉を閉じてしまいます。

つまり、エバーフレッシュは周囲の明るさではなく、自分の中にある体内時計に従って、葉を開いたり閉じたりしているのです。

このことは、1729年に天文学者ド・メランがオジギソウ(同じくねむの木の仲間)で発見しました。

これが生物の体内時計の初めての発見です。

体内時計はもちろん、人間にもあります。
人間の場合、それは脳の視床下部にある視交叉上核(SCN)にあります。

問題は、人間のこの体内時計が24時間ぴったりではないことです。

William J, Cromie, “Human Biological Clock Set Back an Hour.” Harvard University Gazette, July 15, 1999

それは約1時間、後ろにずれています。つまり放っておくと、寝る時間や起きる時間が1時間ずつ後ろにずれていってしまいます。

そのため、毎日、体内時計の時計合わせをする必要があります。

それが、「エントレインメント(同調」」という作業になります。

同調はたいてい 、 社会的合図(登校時間、出勤時間) 、環境的合図(日の出や日の入り) によってなされます。

だから、休みの日は朝目が覚めるのが遅いのね! それに冬も朝、目が覚めにくいわ


週末に夜ふかしをすると、概日リズムが後ろにずれ、月曜日の朝、起きられなくなります。連休明けや長期休み明けも同じです。

今日は日曜だから11時に起きたけれど、明日は月曜で学校があるから、7時に早起きするために、今夜は4時間早く寝ようっと!

細川院長

残念ながら、それはうまくいきません


人間は起きてから、だいたい16時間後に眠くなってきます。

逆に言えば、16時間くらいたたないと、眠りにつけません。
11時に起きたなら、朝方3時まで眠れません。

概日リズムを戻すには、「夜早く寝る」前に、まず「早起き」。

そして、朝起きたら、陽の光を浴びましょう。
体内時計は光によってスイッチが入ります。

なかなか寝つけなのに、早起きしたら、睡眠時間が短くなっちゃうじゃないの!


1日目は仕方がありません。
それでも昼寝をせずに何とか夕方まで過ごしましょう。
そうすると、そこまでたまり続けた眠気のおかげで、その夜は早く眠れます。

早く寝た日の翌朝はちゃんと早起きができるでしょう。

こうして、体内リズムを戻すことができます。